ESSAY

踏切・人体の加工・ドッジボール

踏切で一旦停止する時… 対抗車線の車の運転手に目をやる 今日のひとは、踏切を渡るとき、右側をのぞいていた 踏切を渡る途上でしか見られないーーー曲がりくねる線路、線路横にそりたつ家家、先の見えない曲がり角… 線路の中に入ったときにしか見られない景…

祈ることについて

3月11日に下書きされていたもの。 * 黙祷をスーパーで迎えた。 いつもの放送に交じって黙祷の趣旨が語られ、やがて黙祷の号令がかかり、その場で買い物かごを腕にぶら下げながら目を閉じた。 それにしてもここは邪魔かもしれないと思って、隅に移動するため…

関係性に言葉をのせる

3月くらいに下書きされていたもの。 * 最近、ニュースなどを見ていて この人は誰に向かって話しかけているんだ?なぜ視聴者が高説を賜っているような気分にならないといけないのだろう?とか、なんでコメンテーターは行政の要人にそんな口調で私見を喋るこ…

Some people compare the moon to…

わたしはよく月をチェダーチーズにたとえる。 低い空に判を打ったように輪郭がくっきりと、 黄金色が濃い味のチーズのようで 時には、夜空がこの世界をドーム状に覆う天井で、 白く発光する月が、ドームの外への扉のように思えることもある。 それは大体月が…

まほろばをもとめて(2020)

まほろばって、「素晴らしい場所」って意味だって。 無名で始めたけれど、たしか11月頃にアカウント名を考えよっかな、と思い立って、この言葉と出合った。 このブログを始めたり、SNSに趣味アカをつくったり、今年は色々はじめてみた。それもこれも、まさに…

まねっこ

まねぶ ―とまなぶは語源を同じくする。 人は真似することで学ぶのだと。 思い返せば、色々なものをまねてきた気がする。 小学生の頃、金曜日の教育テレビを模してラジオのようなものをこっそり書いていたのがはじまりだったかもしれない。 次は当時映画が公…

名前にまつわるエトセトラ

動物の数え方は「死んだ後に残るもの」で決まっている。牛や豚は一頭、鳥は一羽、魚は一尾… そして人の数え方は「一名」 人が死んだときに残るものは「名前」だということ。 ”名前”って、定義としては個体を識別する記号に過ぎないけど、実際はその存在を象…

すべての人に雨は降り注ぎ、時は流れる

お題「わたしの癒やし」 後から振り返ってみると、出来事がなんとなくつながっていたなぁと思う一日がある。 ダヴィンチとレインサウンドとモネ。昨日はそういう日だった。 ダン・ブラウン『ダヴィンチ・コード』 中学生の頃、映画が公開されたかと思う。学…

秋の訪れ

いつもあったなぁというもの アルバイトへ自転車通勤をしているが、先日息苦しくてマスクを下にずらすと、金木犀の匂いをほのかに感じた。 そうだ、この時期はそういうのがあるんだった、と思った。 金木犀の匂いを嗅ぐ行為なくして秋の訪れを認め難きに候。…

「BANANA」

いろいろ雑多に並べてみる。 「BANANA」 ペンネームで提出する課題があって、何にしようか迷った。 吉本ばななさんや、椎名林檎さんみたいに苗字+果物っていいなと思ったけれど、しっくりくるものは浮かばず、無難なペンネームで提出しておいた。 吉本ばな…

言葉の墓場

何となく今浮かんだ言葉をタイトルにした。 「言葉の墓場」ってどういうニュアンスを感じさせるだろう。誰にも読まれない日記は言葉の墓場か、秘密の宝箱か。 ニール・ゲイマンの短編集を読んで、絶賛文体の影響を受けています。といっても、ただの雰囲気物…

夜へ向かう空の話

夕空の低いところに、いつもの何倍かの大きさで、チェダーチーズの色に輝く月を見つけるといつも嬉しくなって、誰かに教えたくなってしまう。 また違う日、空が東から西へその全体をつかって、深い藍色から太陽の色へグラデーションになっていることに気付く…

クジラ、タイムカプセル

※専門的で深い話を意図したものでなく、動物に明るくない、ただの個人の随想です。 最近とてもクジラに惹かれている。してみたいことリストに、「真正面からクジラと出合う」が追加された。(それまで「木星を肉眼でみる」だけだった。) 特に、「寛骨」とい…